1996年に、いよいよ始まった水曜どうでしょうという新番組。
はるばる東京まで仕事でやってきたどうでしょう4人が、そうやすやすと簡単に北海道に帰るわけがない。
「みんなで東京で企画を考えよう」という話になっているというが、既に企画が決まっていることを知らないのは大泉洋ただ1人。
彼への騙しは企画第一弾から健在である。
第一夜のポイント
- 大泉さん初めての“騙され”
- サイコロは明治のサイコロキャラメル
- 初っ端から逆方向
- 深夜バスに“ヤラレる”
- ”足元注意”すっころぶ洋
第1回目の企画のいきさつ
1996年秋
新しい深夜番組が生まれようとしていた
番組の出演者は鈴井貴之。彼は企画担当のブレーンでもある。
そしてもう1人の出演者は大泉洋。彼は当時まだ現役の大学生。いきなり番組のレギュラーに抜擢され大喜びだったに違いない。
さて、番組内容を決めるにあたり我々のもとへあるレコード会社からおいしい話が舞い込んできた。
「東京でアン・ルイスのインタビューを収録しませんか?」というのである。聞けば東京までの旅費も負担してくれるらしい。
我々は一も二もなく飛びついた。
さらに貧乏性のディレクターは「せっかく東京まで行くんなら、何かついでに企画をやりましょう」と企画担当の鈴井に話を持ちかけた。
そして鈴井はある興味深い企画を提案したのである。
そして迎えた1996年9月12日東京六本木プリンスホテルの一室で新番組の水曜どうでしょうのオープニングを飾るアン・ルイスとのインタビュー収録が行われる。
収録が終わると、出演者2名を前にディレクターの1人が小さな家庭用ホームビデオを回し始める。
これから一体何が始まるのか。
一切内容を聞いていない男が1人。大泉洋である。彼はディレクターから「今夜は品川プリンスホテルに一泊し、そこで企画をみんなで考える」
と、言われていた。
そんな幼稚なウソを彼は信じていたのである。
そいていよいよ今後、永きに渡って続く出演者2人ディレクター2人の男4人の果てしない旅がスタートしたのである。
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サイコロで行き先を決める運任せの旅
1996年9月12日(木)
午後2時18分
東京六本木プリンスホテル
さて北海道から出てきて六本木プリンスホテルの方でアンルイスさんにインタビューさせていただきました
ロップリのほうで
本題
えーここでねひと仕事終わったということでね
ま、せっかく東京にやってきたんだからただ帰るんじゃつまらない
ここでやっぱり企画を考えて
考えましょう
普通は考えて来るんでしょうけどね
企画を考えてきている…。おかしい…。聞いていた話とは違う。大泉に大きな不安がよぎる。
しかし考えるいとまを与えず鈴井はどんどん話を進め始めた。
やっぱ安心した。あるんじゃないですか鈴井さん。
水曜どうでしょうアンルイスの取材で東京までせっかく来たんだから何かやってから帰りましょう企画第一弾
なんだ!なにを始める気だ!しかし考えている余裕など彼にはなかった。
とにかく、必死で話を合わせるしかなかった
ダン!!大泉くんなんかサイコロのマークと「ラ・フォーレ」「Weライナー」いろいろ書いてあります。これなんだと思います?
なんか景品かなんかですか??
あとはテーマパークだとか
あーここら辺わかりません?
「エアポートリムジン」
アレでしょ…エキシビジョン…
乗って…落ちるやつですか
怖いなほんとに
彼の頭の中はもはや空っぽだ。
乗って落ちるやつはエキシビジョン【展覧会・展示】ではない。アトラクションである。
しかしそんな些細な間違いにツッコミを入れることもなく鈴井は規格の全容を彼に明かしたのである。
これは何かと言いますとバスの名前です。
長距離バスの名前です。
おーっとそれは一体またなぜ?
我々はこれからですねあてのない旅にでかけます。
つまり、任せるのはサイコロの出た目
では説明しよう。現在地東京から札幌へ帰る交通手段・ルートをすべてサイコロを振って決めるというあまりにも運任せなこの企画「東京→札幌サイコロの旅」がいよいよスタートする。
僕は聞いてないな
そのためにこれだけのスケジュールを割いている
これからスケジュールを決めてなんか決めるとかって
だから僕いろいろ出したじゃない。屋形船で豪遊とか
もう企画は決まってたの
品川プリンスとかそういうのはないんですか?
あはははははは
(大泉さんの騙し、大成功!!)
記念すべき第1投目
では早速最初に用意された6つの選択肢をご紹介しよう。1枠から5枠まではすべて東京発の長距離深夜バスの名前。一見しただけでは一体どこへ行くのかわからない
皆様には行き先を教えながら順に見ていこう
以上6つの選択肢のうち③枠⑤枠が札幌とは正反対に向かう危険な目。
さぁ記念すべき第一投は一体どこに…
さぁ我々一体どこに行くのか
早速サイコロの方ですね振って決めたいと思います
(明治のサイコロキャラメル)
ヤダってコイツは
こんなサイコロに運命決めてほしくないわ
早速降りますっ!!
何が出るかな何が出るかなそれはサイコロ任せよ
さんっっ!!
オレンジライナーですよ
このネーミングはどこ行きそう?
愛媛?
③。いきなり出た。深夜バスオレンジライナー。
東京から西へ約900km。札幌とは全く逆方向の四国愛媛県の松山に。
いよいよ運に見放された長い旅がスタートを切った。
これは行くんですか?
逆行ってどうすんの。
ダメだよオレ日曜には帰るよ?!
爆笑
(遠すぎて行きたくない出演人だが、紛れもなくインチキもせず行くのである)
本当に松山まで行く
移動開始
これからなんか…なんか買いに行くんでしょ今
時刻表ね
鈴井さんは企画知ってたんでしょ?
企画は知ってたよ
それにしてもなんでその鈴井さんのGOサインが出たのかが僕はわからない
松山って出た後ちょっと困ってるじゃないですか
松山遠いなぁって
企画しておいてねぇ
まいったなぁ
「まいったなぁ」じゃないですよ
だって何の楽しみもないじゃん
瀬戸大橋渡りますよ
それいいじゃないですか!!
時刻表
あーあった!何時??
7時10分新宿
でねぇ着くのは朝の7時40分
ハハハハハハハ
(乗車時間12時間以上…笑笑)
最初っから弱気…
4時間後
9月12日(木)午後7:00
新宿駅西口高速バスのりば
えぇ〜我々はこれから四国は松山に
オレンジライナーが来てますね
瀬戸大橋をこれていくんですね
それ魅力
瀬戸大橋魅力
出発
あの…ついにバスは動いてしまいました
ついに乗ってしまった
乗ってまだ30分くらいしか経ってないですけど
あなたにはかれちゃ僕は合わせる顔がないですよ
私は騙されて来てるんですから
松山へ
双葉サービスエリア
休憩
中央自動車道 双葉S・A(山梨県)
えーというわけで我々ですねー山梨県のほう通過してる途中なんですけど
今、時間の方は午後9時
まだバスに乗って2時間しか…
8時間経過
高松自動車道 豊浜S・A(香川県)
みなさんおはようございまーす
今我々はやっとの思いで四国のほう上陸しました
良かったですねぇ瀬戸大橋
(実は瀬戸大橋もなにもわからず見逃した)
バスの旅っていうのは快適ですね
2時間後
9月13日(金)午前7:55
松山市 道後温泉(愛媛県)
(温泉に浸かる様子は、今後のどうでしょうになくてはならない“画”となる)
すっころぶ洋
まぁせっかく来たんでお風呂の方…
お風呂
風呂屋に向かうが荷物を忘れ…
あっ荷物荷物…
(すると)
スパーンッ!!(なんの音だ?!)
大泉さんすってんころりんころんだ!!
滑っちゃった?洋ちゃん大丈夫
温泉
道後温泉 本館
出た。
サッパリしました
(転んじゃったよ…笑笑)
第2投目
ではお馴染みの明治のサイコロ
何が出るかな♪
何が出るかな♪
臼杵
帰りたいんだよオレは
(走って移動)
9:00発 特急「宇和海」
名物
四国名物 じゃこ天
もうひとつ
松山名物 坊ちゃん団子
八幡浜港 九州行きフェリーのりば
11:10発 九四フェリー
決めるなら今だよ
降りる?
だめですよ嬉野さん
回す人いなくなっちゃうんですからカメラを
になっちゃう
うわぁ離れていきますよ四国を
いいのか四国オイ
もっとすることあったんじゃないのか
(カメラのファインダー覗いてて酔ったD。魂の仕事をした。えらい!!笑笑)
まとめ
大泉さんが騙されながらも始まった記念すべき第一回目の企画。
その内容は、東京から札幌まで帰る道中、行き先をサイコロに任せる、“運”が極めて重要な企画。
1投目は、札幌とは逆方向の愛媛は松山へ。
深夜バスで移動した出演人は寝汗ビッショリ。
道後温泉で汗を流し、間髪入れずに第2投目。
またしても逆方向の九州へと向かうことになった。
第二夜は最後に奇跡が…。コチラから↓↓
(その後、人気シリーズとなるサイコロシリーズの第一弾。出演者本人たちがまだまだ無名だったからやれた企画。出世街道の原点とも言えるサイコロ1。でも、”鈴井さんにサイコロ振らせると逆方向出る説”は、最初っからなんだなぁ…笑笑
最後まで読んでいただき感謝します。ありがとうございます)
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