水曜どうでしょうのテーマソングとして藩士たちに愛される「1/6の夢旅人」。
この曲は、同じ歌詞なのに全く違うメロディーをもつ「1/6の夢旅人2002」も存在する。
一体なぜだろうか?
曲の誕生から、違うバージョンが出来上がった経緯までを解説します。
誕生のきっかけは「ヨーロッパ21ヶ国完全制覇」
どうでしょう班は1997年当時、入国ビザが必要ないヨーロッパ21ヶ国をたった8日のうちにレンタカーで回るとゆう無謀ともいえる企画を敢行していました。
1997年8月26日(火)
午前10時40分
オーストリアへ向けドイツを南下中、日本では同日夕方5時40分。
ミスターがパーソナリティーを務めるAIR-G’(エフエム北海道)のラジオ番組「GO・I・S」が生放送の真っ最中だった。
この日はシンガーソングライター樋口了一さんがミスターの代役としてパーソナリティーを務めており、ミスターがドイツから国際電話をかけて生出演を試みたのです。
電話口の向こうに漂う疲労困憊ぶりを感じ取った樋口さんは「そんなに疲れてるなら、曲を作ってあげるよ」と約束し、翌日の放送までに一曲を仕上げた。
これが「1/6の夢旅人」だったのだ。
どうでしょう班と樋口さんの交流は「サイコロ3〜自律神経完全破壊〜」で、自宅やレコーディングスタジオまで押しかけて密着取材したことに端を発する。
曲のタイトルは募集して応募のあった中から決まった。
歌詞の中にも「ダイスのように転がっていたいから」という言葉が含まれており、サイコロを振って運任せの旅をするどうでしょう班を彷彿とさせるものとなっている。
その後「サイコロ4 〜日本列島完全制覇〜」で挿入歌として水曜どうでしょうにも初登場。
曲の誕生から2年後にスタートした『どうでしょうリターンズ』ではエンディングに流されることで藩士たちの心をつかんだ。
ところが樋口さんは一度歌っておしまいだと思っていたため、当時担当していたアーティストへメロディを提供したことで版権管理先が移り、どうでしょうで流すためには使用の許可が必要となってしまった。
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「じゃあ新しいメロディで作ろう」
レギュラー放送最終企画「原付ベトナム縦断1800キロ」の放送中、対策会議で「じゃあ新しいメロディで作ろう」と宣言した樋口さんが急遽作曲したのが「1/6の夢旅人2002」だ。
ベトナム最終夜の最後の最後、涙を浮かべた感動のフィナーレで大泉氏が「6年間どうもありがとうございました!」で番組を締めくくると、6年間の旅を振り返る形で、写真や映像が流れる。
ここで初めて挿入歌として披露され、感動のエンディングに花を添えた。
「1/6の夢旅人」と同じ歌詞なのに味わいの異なる勢いに乗った旋律とアレンジで、すでに心を掴まれていた藩士たちを丸ごと鷲づかみにした。
自宅で録られたこの音源にはインコのポーちゃんの鳴き声がはっきり入っていて、制作現場の慌ただしさが偲ばれる。
その後、発売されたCDの「1/6の夢旅人2002」は最終回で放送されたものとは違い、アレンジに手を加え改めて札幌のスタジオで収録されたもので、ポーちゃんの声は入っていない。
のちにこのCD版は『水曜どうでしょうClassic』のエンディングで使用されることとなる。
また「ベトナム横断1800キロ」のエンディングもClassicではCD版に差し替えられているのでポーちゃんの声を聞くことはできない。
レギュラー放送終了後の、新作シリーズもすべて「1/6の夢旅人2002」がエンディングテーマとなっている。
1/6の夢旅人2002〜saicorne ver./featuring 大泉洋〜
『水曜どうでしょうDVD第4弾』のシークレット映像「ミスターのいいじゃないか!踊り」のテーマソングとしてアレンジされた、ラテン風バージョンが存在し、樋口了一の4thアルバムlivesに収録されている。
この曲は、featuring 大泉洋として大泉洋も参加している。
叫び声などの合いの手を入れ、陽気な楽曲を盛り上げているが、よく聴くとどうでしょう班の名前や、彼らにまつわることを連呼しているのがわかる。
その後、どうでしょう祭の公式イメージソングとして使用されるようになる。
1/6の夢旅人2002 歌詞
まわるよ まわる 地球はまわる
何も無かった 頃から 同じように
いつも いつでも 飛び出せるように
ダイスのように 転がっていたいから
泣きたくなるよな時も 君に会いに行きたくなっても
強がるだけ 今は何も 何もわからない
世界じゅうを僕らの 涙で埋め尽くして
やりきれない こんな思いが 今日の雨を降らせても
新しいこの朝が いつものように始まる
そんな風に そんな風に 僕は生きたいんだ
生きていきたいんだ
一人きりでは できない事も
タフな笑顔の 仲間となら乗り切れる
たどり着いたら そこがスタート
ゴールを決める 余裕なんて今はない
誰かを愛することが 何かを信じつづけることが
なにより今 この体を 支えてくれるんだ
世界じゅうを僕らの 涙で埋め尽くして
疲れ切った足元から すべて凍り尽くしても
いつの日にかきっとまた 南風が歌い出す
そんな風に そんな風に 僕は笑いたいんだ
笑っていたいんだ
世界じゅうを僕らの 涙で埋め尽くして
やりきれない こんな思いが 今日の雨を降らせても
新しいこの朝が いつものように始まる
そんな風に そんな風に 僕は生きたいんだ
生きていきたいんだ
作詞作曲:樋口了一
まとめ
企画内の簡単なネタで、しかも一日で作り上げた「1/6の夢旅人」。
一度は権利問題の発生を受けて番組内での使用ができなくなってしまいました。
しかし、それを藤村Dの要請や熱烈な藩士からの後押しもあり、最終回を彩る「1/6の夢旅人2002」として生まれ変わりました。
その後の企画やDVDにはなくてはならない曲となり、ラテン風バージョンも制作されるなど、藩士にとってどうでしょうを象徴する曲へと成長したのでした。
番組の成長と共に成長してきた「1/6の夢旅人」の歴史を感じながら聞いてみてはいかがでしょうか?
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